不動産売却における「専任媒介契約」とは?締結するメリット・デメリットを知ろう!

公開日:2022/10/15   最終更新日:2022/11/15

日常的に耳にするような言葉ではないかもしれませんが、専任媒介契約の意味を理解していないと、契約をした後で取り返しのつかないことになってしまう可能性があります。本記事では、不動産売却における専任媒介契約について詳しく紹介します。どんな人に向いているのかについても解説しているのでぜひ参考にしてください。

専任媒介契約とは?

専任媒介契約とは、媒介契約の形式の1つで、建物の売却を1社の不動産会社のみに限定して依頼するという契約形式です。専属専任媒介契約という名前の似た契約方法が存在していますが、それとは別物です。

専任では、売却を考えている建物の買い手を1社のみに探してもらうことになりますが、自分自身で探すことは禁止されておらず、不動産会社と専任媒介契約を結んだあとで知人などから引き取り手を見つけてきても問題ありません

メリットが多いですがデメリットも存在しているため、媒介契約を選ぶ際は適当に決めてしまわずにしっかりとほかの選択肢も検討してみましょう。メリットとデメリットについては、次の章で詳しく紹介しているので、ぜひそちらもあわせてご確認ください。

専任媒介契約のメリット・デメリット

専任媒介契約には、メリットとデメリットの両方が存在しており、必ずしもほかの選択肢よりもよい物であるわけではありません。人によってはほかの媒介契約形式の方が向いているケースもあります。下記からは、メリットとデメリットの両方をそれぞれ詳しく解説します。

積極的に買い手を探してもらえる

専任を選ぶ最大のメリットは、契約を結んだ不動産会社に積極的に自分の物件の買い手を探してもらえることです。専任には、2週間に一度業務状況の報告をすることが義務付けられているため、一般媒介契約に比べてしっかりと買い手を探してもらえる可能性が高くなっています。できるだけ早く手放したいと考えているのであれば、専任がおすすめです。

何社ともやり取りをする必要がなく負担が少ない

専任媒介契約を不動産会社と結ぶ場合は、不動産会社1社のみと契約することになります。そのため、何社ともやり取りをする必要がなくなり連絡を取る負担が少なくなるというメリットがあります。あまりやり取りにさける時間がないという方は、専任がおすすめです。

不動産の売却を知人に知られる可能性がある

建物を手放したいと考えている方の中には、さまざまな事情があり中には知人に知られずに売却を行いたいと考えている方もいるかと思います。専任を選んだ場合、レインズという不動産流通機構が運営を行っている情報ネットワークシステムに自分が売却を依頼した建物の情報が掲載されてしまうため、知人に知られる可能性があるというデメリットが存在しています。

もちろんレインズは一般の人が確認するような物ではないため、知識がない方には知られる可能性は低いですが、最悪の場合知られる場合もあるということを頭に入れておきましょう。

専任媒介契約を結ぶのがおすすめなのはどんな人?

専任媒介契約はどんな人に向いているのでしょうか?下記からは、専任をおすすめする人の特徴を紹介します。媒介契約をどうするかで迷っているという方は、ぜひ参考にしてください。

早く売りたいとお考えの人

専任を選ぶと、一般を選んだ場合よりも早く積極的に買い手を探してもらえるため、早く売れる可能性が高いです。そのため、早くお持ちの建物を売却したいと考えているのであれば、専任を選ぶことがおすすめです。

人気地域・都市部以外の物件売却を考えている人

都市部に建っている建物であれば、必然的に購入したいと考えてくれる人が多くなるため、人気地域・都市部の建物であれば一般を選ぶことがおすすめです。反対に都市部以外に建っている建物であれば、購入したいと考える人の数も少なくなるため、専任媒介契約を結ぶことがおすすめです。

専任媒介契約を結ぶ際に注意するべきポイント

専任を選ぶ際に注意するべきポイントは、不動産会社選びと契約期間の2つです。下記からは、それぞれについて詳しく解説します。

不動産会社はしっかりと調べて決める

専任を選んだ場合は、1社としか契約をできません。そのため適当に選んで自分と相性の悪い会社や対応の悪い会社を選んでしまうとよい買い手を見つけてもらうことができず、時間を無駄にすることになってしまいます。面倒かもしれませんが、依頼する会社選びはしっかりと行いましょう。

契約期間の確認をする

契約は一度結んだら一生続くわけではありません。契約期間が存在しています。基本的には3か月以内という契約期間が決まっているため、契約をする際は事前の確認を忘れずに行いましょう。また契約期間の確認と同時に解約の方法もあわせて確認しておくと解約時にスムーズです。

料金を支払うタイミングと額に注意

当たり前かもしれませんが、依頼する会社や建物によって支払わなければいけない額やタイミングは変わってきます。契約後に慌ててしまわないよう、事前にしっかりと確認しておきましょう。タイミングによっては、値引き交渉を行うことも可能です。

まとめ

本記事では、専任媒介契約とは何かについて紹介しました。いかがだったでしょうか?専任には、早期売却を期待できることや何社ともやり取りをする必要がなく楽なことというメリットが存在しており、早く売却したいと考えている人に最適です。メリットとデメリットの両方を抑えて自分に合っているのか慎重に判断するようにしましょう。本記事が物件の売却を検討している際、お役に立てれば幸いです。

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