不動産売却前にリフォームはしておくべき?基本的に必要なし!
一般的に持ち家を売る際は、「キレイな方が価値は上がる」といわれています。ではキレイな状態で売るために、リフォーム工事などをある程度済ませておいたほうがよいのでしょうか?ここでは、不動産売却前にリフォームをしておくべきなのか?についてと、リフォームにかかる費用相場、売主と買主にとってメリットのある方法をまとめています。
不動産売却前にリフォームはしておくべき?
結論として、不動産売却前のリフォームは、基本的に必要ありません。なぜならリフォームをすることで、以下のデメリットが発生するからです。
■ 工事費用を回収できないリスクがある
当然ですが、リフォームの工事費用は売主の負担となります。とくにフルリフォームの場合、その額はおよそ300万円~400万円!しかし、リフォームはあくまで原状回復の意味合いが強いため、工事費用を上乗せした金額で売れることはほぼありません。そのため、せっかく大金を払ってリフォームしても、工事費用を回収できないリスクがあります。
■ 「安さ」という中古住宅の魅力の喪失
中古住宅がほしい買主の多くは、「家を安く買って浮いたお金でリフォームしたい」と考えています。つまり、新たに理想の家を作り上げるために、新築ではなくリフォームのしやすい中古住宅を探しているのです。そのため、フルリフォームされた高額な中古住宅には、見向きもしない可能性があります。
■ リフォーム内容が買主の嗜好に合わないことも
せっかくお金をかけてリフォームし新築同様に整えたとしても、それが家を欲しがる方の嗜好・趣味に合わない家なら買うことはないでしょう。また、仮に購入したとしても買主が自分の好みに合わせ、さらにリフォームしてしまう可能性もあります。
事実、中古住宅を購入した方のうち50.5%の方が「購入後にリフォームした」といったデータも出ているため、せっかく気を利かしてリフォーム工事しても、その手間と費用がムダになってしまいます。
リフォームにかかる費用相場
それでも「せめてトイレぐらいはキレイにしておいてあげたい」「外観の見た目がちょっと……」など、リフォームを検討する売主さんもいるでしょう。実際のところ、リフォームにかかる費用相場はいくらぐらいなのでしょうか?
■ フルリフォームの費用相場
内外装・水回りを含む設備など一軒まるごとフルリフォームした場合、費用相場は「400万円程度」とされています。また、2019年2月に一般社団法人住宅リフォーム推進協議会が行った調査によると、「メンテナンスや修繕を目的としたリフォーム工事の費用相場は212.8万円」という結果が出ています。
■ トイレやキッチンの相場は?
水回りについてですが、トイレなら10~50万円、キッチンなら50~150万円ぐらいのようです。その他、洗面所なら20~50万円、浴室なら50~150万円です。水回りはキレイなほうが当然印象もよくなりますが、リフォームを一通り行うだけでも相当な金額が必要です。
■ 内装をリフォームするなら?
まず、部屋のクロスを変えるだけなら、1つあたり1,000円~3,000円程度です。その他、畳やフローリング、間取りの変更、バリアフリー化などは部屋の広さと内装の種類により変動しますが、相場は100~150万円ほどとされています。気になる方は、より詳しく調べてみましょう。
売主と買主、双方メリットがある方法もある?
では、売却前にリフォームをすることに、メリットはまったくないのでしょうか?実は、以下に該当する場合は、売主と買主の双方にメリットがあります。
■ 重要な設備が壊れている場合
給湯器や水道管など、暮らしていくために重要な設備が壊れている場合、家はなかなか売れません。引っ越しをしたら、すぐ買い替えや修理工事のための費用が発生するからです。「安く買ってリフォームしようと思ったのに、余計なお金がかかってしまった」という印象を買主に残さないためにも、最低限の原状回復はしておいたほうがよいでしょう。
■ あまりに劣化が激しい場合
築10年も経てば、どんな家でもシロアリや雨漏りの被害が発生する可能性があります。そして、「畳がひどく傷んでいる」「堀が崩れている」などあまりに劣化が激しく一目見てわかるようなレベルだと、見た目の問題からまず買い手がつかないでしょう。また、タバコによる壁紙の変色も印象が悪いため、張り替えるなど少ない費用でできる簡易修繕はしておきましょう。
不動産を売却する前に、リフォームはしておくべきなのか?「基本的には必要がない」ということについて、解説しました。リフォームはお金がかかる割に中古住宅のメリットがなくなったり、工事代金を回収できなかったりする…というリスクがあるため、大がかりな工事はおすすめできません。しかし売れやすくするために、必要最低限の修繕は必要という話でした。本当にリフォームが必要か迷ったら、一度不動産会社に相談しましょう。